絞りの着物は、立体感のある独特な模様と、職人の手仕事による高級感が魅力の着物です。
「総絞りってどんな着物?」「有松絞りや京鹿の子絞りとは何が違うの?」「古い絞りの着物でも買取してもらえる?」と気になっている方も多いのではないでしょうか。
本記事では、絞りの着物の特徴や種類、格、着用シーンに加えて、買取相場や高く売るためのポイントまで分かりやすく解説します。

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目次
絞りの着物とは?基本的な特徴を解説

絞りの着物とは、生地の一部を糸でくくったり、縫い締めたりして染料が入らない部分を作り、模様を表現する「絞り染め」の技法で作られた着物のことです。
染め上がったあとに糸をほどくと、染まった部分と染まらなかった部分に差が生まれ、独特の模様が現れます。
絞りの着物は、模様に立体感があり、ふっくらとした「シボ」と呼ばれる凹凸が出るのが大きな特徴です。手作業の工程が多く、完成までに手間がかかるため、高級着物として扱われることも少なくありません。

絞り染めの仕組み
絞り染めは、生地を染める前に一部を糸でくくる・縫う・板で挟むなどして、染料が入らない部分を作る技法です。
たとえば、細かく糸でくくった部分には染料が入りにくくなるため、白く抜けたような模様になります。これを繰り返すことで、花柄や幾何学模様、鹿の子模様などを表現します。
非常に細かな模様を全体に施す場合、膨大な手間がかかるため、総絞りの着物は高価になりやすい傾向があります。
総絞りとは?
総絞りとは、着物全体に絞り加工が施された着物のことです。
一部分だけに絞り模様が入っている着物と比べて、全体に模様を作る分、作業量が多くなります。そのため、総絞りの振袖や訪問着は高級品として扱われることがあります。
特に成人式で着用される総絞りの振袖は、華やかさと重厚感があり、今でも人気の高い着物のひとつです。

絞りの着物の種類|有松絞り・京鹿の子絞り・鹿の子絞りの違い
絞りの着物には、技法や産地によってさまざまな種類があります。代表的なものを整理すると以下の通りです。

同じ「絞りの着物」でも、産地や技法によって価値は大きく変わります。
特に有松絞り・京鹿の子絞り・作家物・証紙付きの着物は、査定時に評価されやすいポイントになります。
有松絞りの特徴
有松絞りは、愛知県名古屋市の有松・鳴海地域で発展した絞り染めです。
浴衣のイメージが強い方も多いですが、着物や帯にも用いられています。伝統的な技法による細かな絞り模様は人気があり、状態が良いものは買取でも評価されることがあります。
ただし、有松絞りの浴衣は中古市場での流通量も多いため、買取価格は素材・保存状態・証紙の有無によって差が出ます。
京鹿の子絞りの特徴
京鹿の子絞りは、京都で発展した高級絞りのひとつです。
細かな粒状の模様が特徴で、振袖や訪問着、帯などに使われることがあります。非常に手間のかかる技法のため、品質の高いものは高級品として扱われます。
特に、正絹の総絞り振袖や作家物の京鹿の子絞りは、買取査定で注目されやすい着物です。

絞りの着物の格は?どんな場面で着られる?
絞りの着物は、技法そのものではなく、着物の種類や柄付けによって格が変わります。
たとえば、総絞りの振袖であれば未婚女性の第一礼装として成人式や結婚式に着用できます。一方で、絞りの小紋であれば普段着・おしゃれ着として楽しむ着物になります。
| 種類 | 格・用途 | 主な着用シーン |
| 総絞り振袖 | 未婚女性の礼装 | 成人式、結婚式、結納など |
| 絞り訪問着 | 準礼装 | 結婚式、入学式、パーティなど |
| 絞り付け下げ | 準礼装〜おしゃれ着 | 食事会、お茶席、観劇など |
| 絞り小紋 | 普段着・おしゃれ着 | 街歩き、ランチ、観劇など |

絞りの着物は買取してもらえる?
絞りの着物は、着物買取でも査定対象になりやすい着物です。
特に、総絞りの振袖や訪問着、有松絞り、京鹿の子絞り、作家物の着物などは、状態が良ければ値段がつく可能性があります。
一方で、古い・シミがある・証紙がない着物の場合は、買取価格が下がることもあります。
- 総絞りの振袖や訪問着
- 有松絞り・京鹿の子絞りなど産地が分かるもの
- 正絹素材の絞り着物
- 証紙・落款・作家名があるもの
- シミやカビが少なく、保管状態が良いもの
上記に当てはまる絞りの着物は、処分する前に一度査定へ出してみるのがおすすめです。
総絞りや有松絞り、京鹿の子絞りは、着物専門の買取業者で価値を見てもらうのがおすすめです。証紙がない場合でも査定対象になることがあるため、処分する前に一度相談してみましょう。>>絞りの着物を高く売るポイントはこちら
絞りの着物の買取相場はどのくらい?
絞りの着物の買取価格は、種類・素材・作家・証紙・保存状態によって大きく変わります。
目安としては以下の通りです。
| 種類 | 買取相場の目安 |
| 総絞り振袖 | 数千円〜10万円前後 |
| 絞り訪問着 | 数千円〜5万円前後 |
| 有松絞りの着物・浴衣 | 数百円〜数万円前後 |
| 京鹿の子絞り | 数千円〜10万円以上 |
| ノーブランドの絞り小紋 | 数百円〜数千円前後 |
ただし、上記はあくまで目安です。
有名作家の作品・証紙付き・未使用に近い状態・正絹の高級品であれば、相場より高く査定されることもあります。
反対に、シミ・カビ・変色・においが強い場合や、化学繊維の着物の場合は、買取価格が低くなることがあります。

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絞りの着物で高価買取が期待できる条件
絞りの着物を少しでも高く売りたい場合は、査定で評価されやすいポイントを知っておきましょう。
証紙や落款がある
証紙は、産地や品質を示す大切な証明書です。
有松絞りや京鹿の子絞りなど、産地や技法が分かる証紙が残っている場合は、着物と一緒に査定へ出しましょう。
また、作家物の着物には落款が入っていることがあります。落款や証紙があると、査定士が価値を判断しやすくなります。
正絹素材である
着物買取では、ポリエステルなどの化学繊維よりも、正絹の着物の方が評価されやすい傾向があります。
絞りの着物も同様で、正絹の総絞り振袖や訪問着は査定額がつきやすい代表例です。
シミ・カビ・変色が少ない
絞りの着物は凹凸があるため、保管状態によってはホコリや湿気を含みやすいことがあります。
シミやカビ、変色が少ないものほど、再販しやすいため買取価格も期待しやすくなります。
ただし、古い着物に多少のシミがあっても、価値が残っているケースはあります。自己判断で捨てず、まずは査定に出してみましょう。
振袖や訪問着など需要が高い種類である
絞りの中でも、振袖や訪問着は需要が高く、買取でも評価されやすい着物です。
特に総絞りの振袖は、成人式用として需要があるため、色柄や状態が良ければ査定額がつきやすくなります。

絞りの着物を高く売るコツ
絞りの着物を高く売るためには、査定前の準備と業者選びが重要です。
- 証紙・たとう紙・購入時の付属品を一緒に出す
- 無理にクリーニングやシミ抜きをしない
- 着物専門の買取業者に依頼する
- 複数の業者で査定額を比較する
- 振袖・帯・小物をまとめて査定に出す
特に注意したいのが、査定前に自己判断でシミ抜きや洗濯をしてしまうことです。
絞りの着物は繊細なため、間違ったお手入れをするとシボがつぶれたり、生地を傷めたりする可能性があります。
汚れが気になる場合でも、まずはそのままの状態で査定に出すのがおすすめです。

絞りの着物を売るならどこがいい?買取方法の選び方
絞りの着物を売る方法には、主に「出張買取」「宅配買取」「店頭買取」があります。
| 買取方法 | 特徴 | おすすめの人 |
| 出張買取 | 査定士が自宅に来て査定してくれる | 着物の枚数が多い人、持ち運びが大変な人 |
| 宅配買取 | 着物を箱に詰めて送るだけで査定できる | 自宅で完結させたい人、対面が苦手な人 |
| 店頭買取 | 店舗へ直接持ち込んで査定してもらう | すぐに現金化したい人、近くに店舗がある人 |
絞りの着物は、技法や産地によって価値が変わるため、リサイクルショップよりも着物専門の買取業者へ依頼するのがおすすめです。
一般的なリサイクルショップでは、絞りの技法・証紙・作家名まで細かく見てもらえないことがあります。
一方、着物専門の査定士がいる業者であれば、総絞りや有松絞り、京鹿の子絞りなどの価値を踏まえて査定してもらいやすくなります。
総絞り・有松絞り・京鹿の子絞りなどは、専門知識がないと正しく価値を判断しにくい着物です。
着物専門の買取業者なら、証紙の有無や保存状態、作家名などを確認したうえで査定してくれます。古い着物でも値段がつくことがあるため、処分する前に無料査定を試してみましょう。
絞りの着物のお手入れ・保管方法
絞りの着物を長く美しく保つには、凹凸のある生地をつぶさないように保管することが大切です。
着用後のお手入れ
- 着用後はすぐにしまわず、風通しの良い場所で陰干しする
- 汗や湿気を飛ばしてからたとう紙に包む
- シミを見つけても自分でこすらない
- 汚れが気になる場合は着物専門クリーニング店に相談する
絞りの着物は、生地表面にシボがあるため、強くこすると風合いが損なわれることがあります。
特に正絹の総絞りはデリケートなため、自宅で水洗いするのは避けた方が安心です。
保管方法
- たとう紙に包んで湿気の少ない場所に保管する
- 重い着物を上に重ねすぎない
- 防虫剤は着物に直接触れないようにする
- 年に1〜2回は虫干しをして湿気を逃がす
- 証紙や付属品は着物と一緒に保管する
絞りの凹凸は強い圧力でつぶれてしまうことがあります。長期保管する場合は、ぎゅうぎゅうに詰め込まず、余裕を持って収納しましょう。

絞りの着物でよくある質問
古い総絞りの着物でも売れますか?
古い総絞りの着物でも、状態や素材によっては買取してもらえる可能性があります。
特に正絹の振袖や訪問着、証紙付きのもの、作家物の着物は査定対象になりやすいです。シミや変色があっても、処分する前に一度査定へ出してみましょう。
証紙がない絞りの着物でも買取できますか?
証紙がなくても買取できる場合があります。
ただし、証紙がある方が産地や品質を証明しやすく、査定額が上がる可能性があります。証紙・たとう紙・購入時の領収書などが残っている場合は、まとめて査定に出しましょう。
有松絞りの浴衣も売れますか?
有松絞りの浴衣も買取対象になることがあります。
ただし、浴衣は着物に比べて買取価格が低くなりやすいため、状態やブランド、証紙の有無が重要です。未使用に近いものや人気の色柄であれば、査定額がつく可能性があります。
シミやカビがある絞りの着物は売れませんか?
シミやカビがある場合でも、買取できることがあります。
ただし、状態が悪いほど査定額は下がりやすくなります。無理に自分で汚れを落とそうとすると生地を傷める可能性があるため、そのまま査定に出すのがおすすめです。
絞りの着物はリサイクルショップで売っても大丈夫ですか?
売ること自体はできますが、高価買取を狙うなら着物専門の買取業者がおすすめです。
絞りの着物は、技法・産地・証紙・作家名などによって価値が変わります。専門知識がない店舗では、正しい価値が査定額に反映されにくいことがあります。
まとめ:絞りの着物は価値を知ってから売るのがおすすめ
今回は、絞りの着物の特徴や種類、格、買取相場、高く売るポイントについて解説しました。
- 絞りの着物は、糸でくくる・縫い締めるなどして模様を作る伝統的な染めの着物
- 総絞り、有松絞り、京鹿の子絞りなど種類によって特徴や価値が異なる
- 着物の格は「絞り」ではなく、振袖・訪問着・小紋などの種類で判断する
- 総絞り振袖や証紙付きの絞り着物は、買取で評価されることがある
- 高く売るには、証紙をそろえて着物専門の買取業者に査定してもらうのが大切
絞りの着物は、見た目が古く感じられても、素材や技法によっては価値が残っていることがあります。
特に総絞りの振袖や有松絞り、京鹿の子絞りなどは、処分する前に一度専門業者へ相談してみるのがおすすめです。




