絞りは、特別な器具を使って部分的に布を染め上げる着物。
凹凸のある立体的な風合いは、絞り独自のものです。
中でも、生地全体を「絞り染め」で作られた総絞りの振袖は、成人式の人気者。
正絹を使い職人の手で丁寧に作られていることから、高級着物のひとつと言われており、卓球の福原愛選手が結婚報告会見で着用したことでも話題になりました。
はんなりと可愛らしい印象を与えてくれる絞りの着物は、一体いくらぐらいで買い取ってもらえるのでしょうか?
そこで本記事では・・・
- 絞りや総絞りの振袖の種類
- 買取相場
- 相場よりも高く売るコツ
についてご紹介します。
絞りの着物の買取を検討されている方は、ぜひ参考にしてみてくださいね!
目次
絞りとは?特徴や種類・生産方法などをご紹介!
絞りとは、着物の生地をつまんで糸でくくることで作られる染め着物の総称です。
- くくった部分だけ色がつかず白く残り模様になること
- 糸をくくることで凹凸ができ、立体感のある仕上がりになること
絞りの起源は、インドやアフリカ大陸。
日本では、奈良・飛鳥時代に中国から伝来されたのがはじまりと言われています。
- 室町時代には絞り技法の集大成として「辻が花」
- 慶長・元禄時代には洗礼された袖口が窄まった「小袖」
が流行するなど、着物業界のスタンダードを築き上げてきました。
絞りの着物の作り方・工程
絞り特有のふっくらとした風合いは、職人が一粒ずつ丹念にくくりつけていくことで生ます。
その後さらに、細やかな色付けが施されるのですが、ひとつひとつの作業が非常に細かく、手間がかかるのです!
1着の着物ができるまでの工程は以下の通り。平均して1年半ほどの歳月をかけて作られます。
- 構図:デザインを決めて下絵を書く
- 下絵型彫り:型紙に円や細かい線を掘り、型をあける
- 下絵刷り込み:型紙を使って布地に柄をすり込む
- 絞りくくり:一粒一粒をくくりつけていく
- 漂白:布地に擦り込んだ汚れを漂白する
- 染め分け:色をつける場所を識別する
- 染色:くくりの上から染液をつけて色をつける
- 仕上げ
総絞りの振袖
成人式の振袖に見られる「総絞り」は、絞り染めを生地全面に施した着物を指します。
通常の絞り同様に、生地を小さくくくりつけていくのですが、絞りの面積が多い総絞りは、より丹念な手仕事が必要とされます。
1着の振袖に必要なくくりの粒の数は、なんと20万粒以上に及ぶことも。
絞り・総絞りの振袖の格
絞りにはそれぞれ、
- 振袖
- 訪問着
- 付下げ
- 色無地
- 小紋
の着物があります。
着物の世界では、光沢のあるものほど格が高いとされており、残念ながら、付下げや小紋の絞りはフォーマルなシーンには向かないと考えられています。
その一方で、総絞りの振袖や訪問着は礼装とみなされ、格も高く評価されています。
名門メーカーの絞りであれば、披露宴やパーティーなどフォーマルな装いにもぴったりですよ!
絞りの着物を着る季節
生地の表面に凹凸があり、ふっくらとした立体感をもつ絞りは、他の着物よりも厚みがあります。
裏打ちの薄い羽二重と表生地の間に空気が含まれるため、冬でも暖かく着用することができる分、ゴールデンウィーク頃には少し暑いと感じるかもしれません。
総絞りの着物に適した年齢
柔らかく可愛らしい印象を与えてくれる総絞りの着物ですが、中には「何歳まで着用できるの?」と疑問に思われている方も少なくないかもしれません。
一昔前までは「若者の着物」と認識されていた絞りですが、現在は年齢による制限は設けられていません。
ふんわりとした素材は、大人の女性の肌に馴染みがよく、魅力を一層引き出してくれるはず。ぜひ、チャレンジしてみてくださいね。
絞りの種類や産地
絞りの種類は50種類以上。
今回は、代表的な絞り染めを抜粋してご紹介します。
- 本疋田絞り
- 人目絞り
- 小帽子絞り
- 竜巻絞り
- 鳴海絞り
- むらくも絞り
- 縫い締絞り
- 杢目絞り
- 日の出絞り
本疋田絞り
布をつまんで4つに折りたたみ、高級な絹糸を8回ほど粒状に絞る技法です。
白い粒が子鹿の背の斑点に似ていることから、この名前が付けられたと言われています。
本疋田絞りは、他の絞りに比べて、より一層高い技術が求められます。
その制作期間は平均して2年以上。
精密な模様は、もはや芸術といっても過言ではありません。
中でも古くから絹産業が盛んだった京都で誕生した「京鹿の子絞り」は、国内外から高い評価を受けています。
人目絞り
人目絞りは、布を4つに折りたたみ、糸を2回巻き付け小さな粒を重ねる技法です。仕上がりが人の目の形に似ていることからこの名前がつけられました。螺旋状の図柄が印象的です。
小帽子絞り
大きめの絵模様に用いられる技法です。染色液が余計な部分を染めてしまわないように、ビニールや竹串などで覆うように糸を巻き付けるのが特徴のひとつ。
作業工程中のようすが帽子をかぶったように見えることから、「小帽子絞り」と名付けられています。
鳴海絞り
愛知県名古屋市の有松地区で染められている伝統技法です。
木面の布に藍で染めるのが特徴的。1975年に伝統工芸品に認定されました。
竜巻絞り
生地を棒状にし、糸を螺旋状に巻きつけて染色する技法です。染め上げると、一直線の流れるような線模様になるのが特徴です。
むらくも絞り
生地にあえてシワをつけて染色する技法です。
独特の色むらが独特の風合いが楽しめることから、個性的な着物に仕上がります。
縫い締絞り
布の一部を糸で縫った後に染色する技法です。
縫い目の大きさや布の特徴によって、さまざまな模様を楽しむことができます。
杢目絞り
縫い目絞りの応用編です。
木の木目のような仕上がりになることから、「杢目絞り」と名付けられました。
日の出絞り
同じく、縫い目絞りの応用編です。
太陽のような丸い柄が印象的で、華やかな印象を与えます。
絞りの着物の買取相場はどれくらい?
絞りの買取相場は、
保管状態や着物そのものの価値によって大きく変動しますが、実際の買取相場は以下の通り。
一般的な絞りの付下げ (目立った汚れなし) | 2,000円〜10,000円 |
一般的な絞りの留袖 (辻ヶ花絞り染め) | 5,000円〜20,000円 |
有名作家の絞り (正絹・人間国宝) | 7,000円〜100,000円 |
一般的な絞りの場合、買取相場は5,000円〜10,000円が相場です。
ただし、人間国宝など有名な作家の絞りであれば、買取相場が10万円を超えることも珍しくありません。
総絞りの振袖の買取相場・価値はどれくらい?
絞りの中でも希少性の高い「総絞りの振袖」は、買取相場も高い傾向にあります。
一般的な総絞りの振袖 (状態がよい) | 10,000円〜25,000円 |
藤娘きぬたやの総絞りの振袖 (状態がよい) | 20,000円〜35,000円 |
・振袖そのものの価値
・総絞りの希少性
これら2つの要素が合わされば、市場のニーズが高くなるのも必然的かもしれませんね。
特に、本疋田絞りを得意とする有名メーカー『藤娘きぬたや』の着物は、着物愛好家の中でも高い人気を誇っています。
着物買取相場【全種類一覧】あなたの着物がいくらかわかる!一覧表で相場をご紹介
誰も着ない家族の着物や、もう着なくなった着物。 これらは売るといくらぐらいになるのでしょうか? 種類やブランド・ノーブランドで当然価値は違ってきますが、適正価格で売却するためにも、予め情報を得ておくこ ...
「藤娘きぬたや」総絞りの振袖の買取相場はどれくらい?
「藤娘きぬたや」とは、1947年に名古屋で創業した呉服メーカーです。
「誰も創ることが出来ない絞り・誰も創ろうとしない絞り」をコンセプトとしており、デザインを含む全てのプロデュースを、社長の伊藤嘉秋さんがひとりで手掛けています。
例年、華やかなパステルカラーを多用した振袖を発表しており、その美しさから芸能界にもファンが多いようですね。
「藤娘きぬたや」の得意分野は、上品で艶やかな「本疋田絞り」。
ニューヨークで個展を開催するなど、ファッション性だけでなく、品質の高さも評価されています。
そのため、古着であっても買取相場は3万円前後と高額になるのです。
絞りの着物を高く売る3つのポイント
一般的に、高級品とされる絞り。
総絞りの振袖であれば、購入時に数十万円を超えるものもあります。
最後に、大切な着物をより高く買い取ってもらうためのポイントをまとめました!
- 証紙、落款を一緒に買取に出す
- 大きいサイズほど高く売れる
- 着物買取専門業者に売る
証紙、落款を一緒に買取に出す
「藤娘きぬたや」をはじめとする呉服メーカーの着物は、必ず証紙や落款が付属しています。
証紙とは、いわば着物の名刺。
買取の際に一緒に出すことで、着物の価値や品質を証明することができます。
- 伝統工芸品マーク:伝統工芸品であることを証明するマークです。
- 機械織り・手織りのどちらか:手織りの着物の方がより価値が高いとされています。
- 原材料名:正絹100%の着物は高価買取の対象になります。
証紙がなくても買い取ってもらうことはできますが、
買取額に影響が出る可能性があるので、大切に保管しておきましょう。
大きいサイズほど高く売れる
着物のサイズが小さすぎると、着用できる人も限られてしまいますよね。絞りの着物に限ったことではありませんが、サイズの大きい着物ほど、高額買取の対象になります。
日本の平均身長である160cmがひとつの目安にはなりますが、極端に小さいサイズでない限り、買い取ってもらえる可能性は十分にあります。
着物買取専門業者に売る
価値の高い絞りを、安易にリサイクルショップやオークションに出すのはおすすめできません。
絞りの価値を見極めるためには、
- 絞りの種類
- ブランドや産地
- 伝統工芸品であるか
- 染色の技術
など、着物専門の知識が必要です。
着物に詳しい人であれば、オークションやフリマアプリに出すことも可能ではありますが、落札希望者のやりとりや、クレームの対処など、意外とやることが多いのが現状です。
バイセル をはじめとする着物買取業者なら、出張買取や宅配買取など、忙しい人でも時間をかけずに大切な着物を納得のいく価格で査定してもらえるので、おすすめです。
しかし、いざ着物の専門業者に買取を出そうと思っても、一体どこに出せばよいのかわからないという方も多いのではないでしょうか?
絞りを高額で売却!
大手着物の買取業者ランキング
1位:バイセル
- 卓越した査定力を持つ査定員が見るので、買取価格に期待できる。
- 運営元の株式会社バイセルテクノロジーズは上場企業
- 女性査定員を指名できるので、女性でも安心して絞りを売れる。
- 他店より1円でも安ければ全品返却を掲げるほど、買取価格に対して自信がある。
買取価格・対応共に評判が良く、絞りの買取を頼むならバイセルがいちばんでしょう。
運営元の株式会社バイセルテクノロジーズは2019年12月に上場しており、企業として社会的信頼があります。
上場していると、押し買いや買い叩きなどの悪質なことはできませんし、安心して絞りを売却できますよ。
また、女性査定員を指名することもできるので、女性の方でも安心して絞りを売れるのがポイント。
高価格・安心という2つの大きなツボを押さえているのがバイセルなのです。
2位:買取プレミアム
- 運営元の株式会社バイセルテクノロジーズは上場企業
- 事前に無料の電話相談で不安な点を相談できる。
- 証紙や証明がなくても買取りOK。
- 歴戦の査定員がいるので、適正な価格で絞りを買取りしてくれる。
買取プレミアムはバイセルと運営元が同じ会社です。
そのためこちらの運営元も上場企業である株式会社バイセルテクノロジーズですね。
なので内容自体はそれほど変わりなく、高額買取が期待できますし、出張買取は即日現金で支払われます。
さらに証紙や証明書がなかったり、古い絞りでも問題なく買取してくれるので、難アリの絞りを売る時は買取プレミアムもしくはバイセルがベストですよ。
3位:ザ・ゴールド
- シミがあったり、柄が古くても買取りしてくれる。
- 最新の相場を常に把握しているので、適正価格で買取りが可能。
- プライバシーマーク取得により、個人情報の取り扱いも安心。
ザ・ゴールドは3つの買取方法どれにも対応はしていますが、基本的には出張買取メインの買取店ですね。
着物の最新相場を把握しているため、下手に買い叩くことなく、適正価格で売却することができるでしょう。
またプライバシーマークを取得していることから、個人情報の取り扱いに関してもしっかりしているので、安心して着物を売れますね。
絞りの買取で一番のおすすめはバイセル
当サイトいちばんのオススメはバイセルです。
買取価格は業界最高値が期待できますし、他社より1円でも買取価格が低ければ全て返品を謳っているのが大きいですね。
また対応自体も評判がよく、査定員も凄腕ばかりなので、安心して高く絞りを売るならバイセルに依頼するのがベストですよ!
【絞り】総絞りの振袖は超高級品!買取相場や高価買取のポイントを解説!まとめ
種類や状態によって、思わぬ高額が期待できる絞りの着物。
買取・販売ともに買取実績が多く、中古であっても需要があります。
絞りの着物は、種類や染色の仕方など細かいポイントの違いで査定額が変わるので、「売りたい!」と思ったら着物のプロに依頼するのが、やはりベストな選択です。
査定料・出張料・送料・キャンセル料は全て無料なので、オークションやリサイクルショップで売却する前に、一度買取相場を確認してみることをおすすめします!